全国ボーリング技術協会は,ボーリングにより地球深部の情報を正確・詳細に知ることで,科学,資源,防災,環境などの分野で社会に大きく貢献することを目的として,ボーリング技術の更なる向上を目指し活動しております。
我々人類の科学力は,産業革命以後飛躍的に発展し,現在では人間が地球外まで行き,短期間ですが,宇宙ステーションで生活できるまでに至っています。しかし,足元の地球地下となりますと地球の半径(約6,300㎞)に対し世界で一番深いボーリング(ロシア,コラ半島)でさえ僅か12.3kmを掘削したに過ぎないのが現状です。地震波の解析などにより地球内部を大まかに想定していますが,詳細は未知の領域となっています。この地球地下の情報を得るために,私どもが持つボーリング技術が役に立つこととなります。
ボーリングによって得られる地下の地質や構造,地下の環境などのデータは,多岐に亘って利用されております。その主なものを紹介してみます。
科学的研究:プレート研究や断層調査などの科学的知見を得るため。
資源開発 :金属鉱物や水・温泉・地熱蒸気などの地下資源の調査,開発。
防災分野 :広域的に地下深部に地震計や歪計などを孔内に設置し,地震予知や火山の噴火予知を目指す。
環境分野 :土壌汚染の調査,処理やCO2の地下貯蔵のための調査,開発。
現在のボーリングに係わる社会貢献のほかに,今後ボーリング技術を使った新しい需要の調査,開拓に取り組み,広く社会に寄与出来ますよう鋭意活動して参りたいと思っておりますので,皆様のご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。
2020年5月
一般社団法人 全国ボーリング技術協会
会 長 藤貫 秀宣